本文へ進みます
ページの先頭へ戻ります

ヤマハ発動機株式会社 日本

ここから本文です

各部詳細説明

細部に至る詳細な解説と鮮明な画像で、ヤマハのバイクのディテールを紹介。オンライン版カタログとしてお楽しみください。

YZF-R1

美しく走るために、エンジンがなすべきこと。

エンジンは最高出力から出力特性の時代へ

モーターサイクルはもっとも人間に近い乗り物だ。感覚器官、身体機能をフルに働かせてライディングを楽しむ。瞬きする僅かな時間に、スロットルを閉じ、ブレーキをかけ、自らの身体を動かし荷重を変える。視点はすでにコーナーの入り口から出口へ移動している。そして、走る所も機会もさまざま。サーキットを走ることもあれば、高原のワインディングをツーリングすることも、狭小な峠道に出会うこともあるだろう。そうしたとき、パワーを意のままにコントロールできることは、エキサイトメントと同時に大いなる安心感をライダーにもたらす。しかし、馬力やパワーウエイトレシオといったスペックを磨くだけでは最適解は得られない。それに対するヤマハの回答が、クロスプレーン型クランクシャフトエンジンである。これは、隣り合うピストンの1番と2番、3番と4番のクランクピン位置をそれぞれ90°位相させたエンジンである。これを、1・3・2・4の点火順序で燃焼させると、270°、180°、90°、180°の不等間隔爆発となる。こうすることで、クランクまわりに生じる不要な慣性トルクが排除され、燃焼トルクのみを発生させることができる。いわば、エンジンパワーから不純物を取り除き、高純度なパワーのみをとりだしているのだ。これが、スロットルとリアタイヤが1対1でつながったかのようなダイレクト感を生み出す。スロットルを開けたとき、リアタイヤにかかるトラクションの状態が車体を介してライダーにフィードバックされる。これが、様々な状況でパワーの立ち上がりがつかみやすい特性となっている。

クロスプレーン型クランクシャフトのメリット

180°型クランクシャフトの等間隔爆発エンジンは、不快な振動のもとになる慣性力がバランスし高出力が得られる高性能エンジンの典型である。これまで、その利点に比較すればクランクシャフトにはたらく慣性トルクは特に問題視されることはなかった。ところが、高性能化したエンジンのシビアなコントロール性を追求すると、その慣性トルクの変動は、リニアなトラクションを得ようとするライダーにとって時にノイズとして感じられる場合がある。なぜ、慣性トルクの変動が起こるかというと、ピストンの位置によってクランクシャフトには回転変動が起こる。クランクの回転速度は、増速から減速に移る上死点と下死点で最も速く、一方減速から増速に移る90°と270°では遅くなるからだ。この回転変動はクランク1回転で2回発生していることになる。さて、マシンの駆動力となっているトルクは、燃焼トルクと慣性トルクからなる合成トルクである。図2でわかるように180°型クランクシャフトエンジンでは、慣性トルクが燃焼トルクを相殺している状態にある。つまり、慣性トルクはマシンを前に進めるための力としては役に立っておらず、ノイズとなってクランクにまとわりついていることになる。クロスプレーン型クランクシャフトは、図2で見ると0点から下に発生しているノイズを取り除いて、純粋な燃焼トルクをそのまま駆動力として取り出すことができるのである。

スロットルワークに対する反応を極める

クロスプレーン型クランクシャフトは、どの回転域、速度域においても、スロットル操作に対するパワーの立ち上がりがつかみやすいエンジン特性を発揮する。コーナリング時、ブレーキングからシフトダウン、倒し込み、旋回、コーナー立ち上がり、その一連のコーナリング動作においてその差は顕著に現れる。立ち上がりのスロットル操作においては、これまでがエンジンの反応とリアタイヤの接地感を確かめながらの微妙なスロットルワークだったとすれば、エンジンの反応がつかみやすいため、スロットルとリアタイヤが1対1でつながっているような安心感があり、より早くスロットルが開けられるようになる。こうした特性が、コーナリングのセオリーを変えてしまうほどの性能をYZF-R1に与えている。この扱いやすさは、ワインディングやサーキット走行でのパフォーマンスを高めるばかりでなく、市街地やツーリングなどさまざまな走行シーンにおいてもメリットをもたらしている。それは、エンジンが発するノイズが消えたことにより、エンジンサウンドからブレーキのフィーリング、ウインドプロテクションに至るまで、それまで気がつかなかった領域にまで進化が及んでいるからである。


本文はここまでです このぺージの先頭へ

ご利用規約 | 推奨環境・プラグイン | プライバシーポリシー | サイトマップ | お問合せ